続)KH400が動かない

直りましたというか直しました。2ヶ月くらい前に。直った嬉しさ余って走り回っていたため書き忘れていたので書きます。

原因

ジェネレータの低速用コイルでした。
バラします。タンク、左サイドカバー、ギアチェンジペダル、スプロケカバー、エンジン左カバーを外した状態。

拡大。この状態の画像は撮影しておく必要あり。ジェネレータの上側ネジとその上の線の位置を記録しておかないと、点火時期がズレる原因になる。

ジェネレータを取り外してもっと拡大(しかしピンボケ)

少し解説

KH400の点火方式はマグネトーCDI、いわゆるフライホイールマグネトー点火やフラマグ点火と呼ばれる機構を採用している。
この方式はエンジン始動のための電源がバッテリーではなくマグネトーなので、バッテリーが死んでいても(死にかけていても)キックさえすれば(発電系が正常なら)エンジンがかかる。
ということはエンジンがかからないときにバッテリーを見ても意味がない。

ついでに書くと、KH400のジェネレータにはコイルが7つついている。詳細は下記。

ピックアップコイル

ピックアップコイル(パルサーとも言うらしい)が3つ。「もっと拡大」の一番手前、ジェネレータの外周についているコイル(120°間隔でついている)。
用途はイグニッションコイルに火花を飛ばすタイミングを示すためのものらしい。詳しくは理解できていない。フライホイールに近いほど発電量が多くなるらしい。
配線は+側の1本のみでCDIユニットにつながっている。マイナスはボディアースになっている様子なので直流だと思っている(違ってるかも)。
樹脂で固められているので断線する確率は低そう。

充電用コイル

充電用コイル(パーツリストに倣うと COIL, LIGHTING)が2つ。バッテリーの充電などで使用される発電コイル。
ジェネレータの中心の穴にそって設置されているコイルの、2段になっていない2が該当する。
発電する電流は交流だけどレギュレータ・レクチファイアを経由して直流に変換される。
コイルの線径が太い(下記エキサイターコイルと比べて)ので切れることは少なさそう。
発電量に不満があるときはこのコイルを巻き直したりすると良さそう。

エキサイター/チャージコイル

いくつかのサイトを見ていると、2つともあわせてエキサイターコイルと呼ばれるような場合が多いような印象がある。パーツリストでは小さい方がエキサイターコイルで大きい方がチャージコイルと書かれていた。
ジェネレータの中心の穴にそって設置されているコイルの、2段になっているコイルが該当する。
下段の大きい方がチャージコイル、上段の小さい方がエキサイターコイルとなる。
CDIユニットにつながる発電コイルがこれらにあたる。

つまりこの度の不動となった原因はこの2つのコイルの片方、低回転用になる。

原因箇所を探す

エキサイターコイル及びピックアップコイルの仕様(諸元?)はこちら

調べ方はコイルの抵抗値を調べて上記の図に近しい値が出るかどうかだったけども、低回転用は無限Ω、つまり絶縁(断線)状態。

エキサイターコイルの低回転用が断線する(もしくはショートする)ことが原因の不動(もしくは低回転の弱さ)はKH400の持病らしい。今回はそうだったので調べていくと、同様の問題を経験している人は多かったようす。

国内で巻き直しをしてくれる業者はあまり多くないようで、確実と言える業者を見つけることができなかったが、ebayで低回転用のリプロを販売している業者がいたのでそこから購入、英国製らしい(写真撮り忘れ)。

エキサイターコイルの交換

ここからはたんたんと作業。
作業前画像。

作業中、作業後の画像は撮り忘れていたみたい。

交換と取り付け完了の状態。

特に難しい箇所はないけれど、今回はジェネレータの配線を全て引き直している。
ハンダづけが苦手な人には難しいかもしれないけれど、多少お金をかけてでもいいハンダごて(セット)とかを買った方が後々安い(断言)。

脱線するけど半田ごては基本的な構造でニクロムヒーターとセラミックの2種類があって、セラミックがおすすめ。この辺りを買ってけば鉄板だと思う。
ニクロムヒーターだと、ヘタすると温度が上がりすぎてピックアップコイルの樹脂が溶けたりするので、セラミックヒーターで温度調節しながら実践するのが安パイ。

いちおうメモがてらとった画像(取り付け前)。
配線の長さとか。単位はcm。薄紫の14っていうのはニュトラルスイッチ用の穴までの長さ。

配線について、ピックアップコイルとエキサイターコイルの配線は1.25sq、充電用コイルは1.5sqだったと思う。充電用は少し太かった。全てAV線。

そしてこうなる(すっとぼけ)

ジェネレータ取り付け、フライホイールも取り付けた状態。

(中略)

いまはとても元気に走っています。
燃調はいろいろと調整中ですが。

今回の作業で学んだこととして、KH400はけっこう無茶な配線の取り回しがあって、ジェネレータからCDIユニットまでの配線(カプラー)がフレームとエアクリーナーボックスの隙間を通っている。そして、そこがすごく狭いのでエアクリボックスのネジをはずして余裕を作る必要がある。